スタッフブログ
2014年5月16日
若齢ウサギの子宮疾患
陰部からの出血を主訴に来院のウサギさん。
ぐったりしています。
聞けば数ヶ月前から出血が続いているとのこと。
検査の結果、子宮疾患であることが判明しましたが
何しろ 長期にわたる出血の影響で
重度の貧血状態に陥っています。
さあ大変!
・・・・・ということで
まずは輸血からスタートです。
幸いなことに
このオーナーさんのお宅には
もう一羽 体重3kgほどの大きなウサギさんがいて
さっそくその子から20mlほど血液を分けていただき
輸血して手術をすることになりました。
血液をもらう子が体重1kgで くれる子が体重3kg。
この体格差はありがたいですね。
一般的には
ウサギさんの血液型については
詳しい検査を手軽に受けられる検査機関がほとんどないこともあり
臨床の現場では簡易検査(クロスマッチテスト)で
適合を判断するしかありませんが
犬猫ほど厳密な血液型の違いはないので
ほとんどのケースで不適合とはならないようです。
無事手術を終えたウサギさんは
その後 食欲も元気も回復し
先日、抜糸のために来てくれました。
血液検査もほぼ正常値まで回復! \(^o^)/
やったね?(^_^)v
★★★ 注意 ★★★
この子は1歳5ヶ月という若さで子宮疾患を患っていました。
病理検査の結果、さいわい悪性の腫瘍性病変ではありませんでしたが
今回の場合は処置が少しでも遅ければ命を落とすところでした。
3歳以上の雌のウサギさんが子宮疾患になる率が高いことは
以前からお話しさせていただいておりますが
最近はもっと若いウサギさんの子宮疾患もよく見かけるようになりました。
雌のウサギさんを飼っている方には
日々の観察をしっかりおこなうことと、定期的な健診をおすすめします。
少しでも異変を感じたら、早めにご相談下さいね。