人間と同様、動物の体の表面にはたくさんの経穴(ツボ)があり、これらの経穴は経絡と呼ばれる線でつながっています。
経絡は電車の線路のようなもの、経穴は途中に点在する駅のようなものとイメージしてもらえればわかりやすいでしょう。

この経絡に沿って「気」と呼ばれるエネルギーが流れていて、その気の流れが滞ったり、遮断されることでその部位、またはその経絡に関連する臓器に病気が発生すると考えられています。鍼灸治療は、経穴および経絡を刺激することで気の流れをスムーズにし、身体のバランスを整え、動物自身の力で回復する自己治癒力を引き出す治療方法です。

椎間板ヘルニアを始め、関節炎などの運動器疾患などは最も効果が期待できますが、それ以外にも様々な疾患（神経系、消化器系、泌尿器系、内分泌系、皮膚疾患など）や免疫力低下、体力低下などの動物達に対して効果が認められています。

ただし、鍼灸治療は緊急性の高い症状には向いておらず、中には適応できない疾患もあります。また、動物の性格によっては鍼ではなくレーザー治療を選択する場合もあります。その子の個性や健康状態などを診察した上で、鍼灸治療の適応および方向性を決めるようにしています。

オゾンは３つの酸素原子からなる気体（O3）です。とても不安定な気体で、すぐに酸素（O2）と酸素原子（O）に変化します。
これを“酸化“と呼び、私たちの体の中でこの酸化が起きると活性酸素が発生しますが、オゾン療法はこの酸化と活性酸素のしくみを利用して体全体の免疫力を高める療法です。
活性酸素というと老化を早める、細胞を劣化させるといった悪いイメージがありますが、酸化によって生じた活性酸素は少量で一時的なものであればよい働き（細胞を活性化させ、抗酸化作用を発揮）することがわかっています。この効果をホルミシス効果といいます。
動物の場合、オゾン療法は「注腸法（肛門からオゾンガスを注入）」で行う事が多く、時間もかからず、痛みもありません。注入されたオゾンは粘膜から瞬時に血液内に取り込まれ、その結果、全身の活性を高め、免疫機能の向上、抗酸化作用などが期待できるようになります。

【期待される効果】
・細胞の代謝を活性化
・免疫系の調節作用
・消炎鎮痛作用
・創傷治癒促進作用
・アンチエイジング
など

生体内には様々な姿に形を変えられる細胞が存在します。これが「幹細胞」です。幹細胞は平常時は活動しませんが、細胞が損傷したり、細胞の数が減少したことを感知すると、自ら細胞分裂を行い、傷ついた細胞や不足した細胞の代わりとなり、身体機能を修復する働きがあります。この幹細胞の修復力を用いた治療が再生医療です。

①幹細胞治療…幹細胞そのものを増殖させて体内に戻す治療
②幹細胞培養上清治療…幹細胞を培養した際にできる上清液を用いた治療

当院では手間とコストを考慮し②の「幹細胞培養上清治療」を取り入れております。

幹細胞を培養する際に、幹細胞はその培養液中に数百種類以上のタンパク質を含む生理活性物質を分泌します。この分泌液の中にはサイトカインと呼ばれる細胞活性のカギとなる情報伝達物質が豊富に含まれて、体内の損傷を受けた組織や細胞の機能回復に重要な役割を果たします。この分泌液をフィルタリングにより滅菌処理を施したものが培養上清液です。

当院では犬(同種)脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた「ステムキュア」という医薬品（培養上清液）を取り扱っております。腎臓病、椎間板ヘルニア、麻痺、関節炎、角膜潰瘍、老化防止などに効果が期待できます。

ホモトキシコロジーは、ドイツのエインリッヒ・レッケヴェーク博士によって提唱された治療体系理論です。
病気は、体の中にできる毒素（ホモトキシン）が原因で起こると考えられており、体がしっかりしていれば排泄器官によって毒素はどんどん体外に押し出されて健康を維持できますが、ストレスや老化などによってこの排泄機能が衰えてくると体内に毒素が蓄積され、さらにそれが慢性化すると細胞を侵し、慢性病が発症するという理論です。
うまく毒素を排除できれば元気になり、うまくいかなかった場合は病気として症状が出るというわけです。
毒素であるホモトキシンの解毒排泄を促し、生体を元のバランスに戻そうとする働きを助けるのがホモトキシコロジーの治療になります。
デトックスと同じ意味合いになりますが、それを治療レベルにまで引き上げたものがホモトキシコロジーだと言えるでしょう。
ホモトキシコロジーによる治療の最大の特徴は、現代医学で言うところの副作用がほとんどないか、あっても軽微なことが大部分なので、極めて安全な治療法であるという点です。
治療に使う薬剤はすべてドイツから輸入したもので、注射薬・内服薬・塗布薬など様々な形態のものをその子に合わせて選択して用います。