院長のひとりごと
2014年4月27日
HDUに基づく犬フィラリア症の推奨予防期間
犬フィラリア症の予防期間は
一般的には
★蚊が出始めた時がスタート日
★蚊が見られなくなってから1ヶ月後が終了日
となっていますが
これはこれでかなり曖昧な表現ですよね。
そこで 昨今では
HDU(Heartworm Development heat Unit)という概念に基づいて
感染期間を数値化することが試みられています。
HDUとは、
犬フィラリアを媒介する蚊の体内で
フィラリア幼虫(ミクロフィラリア)が成熟するために必要な積算温度の単位です。
このHDUを算出することによって
犬フィラリア症の感染期間を推定することができるのです。
計算式は下記のようになります。
1日HDU = 日平均気温 - 臨界温度(14℃)
日平均気温 = (日最高気温 + 日最低気温)÷ 2
例えば、ある日の最高気温が21℃、最低気温が13℃であったとします。
この日の1日HDUは (21+13)÷2-14=3
次の日は5、その次の日は4であったとします(1日HDUがマイナスとなる場合は0とします)。
これらを加算していきます。
3+5+4+・・・・・・・
この積算が130となる日が感染開始日になります。
感染終了日は30日間でHDUの積算が130となる最終の日とされています。
この計算によると
神奈川県における過去15年間の中で
★一番早い推定感染開始日は 5月6日
★一番遅い推定感染終了日は 11月11日
ということになり
そこから導き出される推奨される犬フィラリア症の予防期間は
5月初旬~12月初旬 ということになります。
11月末ともなると寒さも増してきて
感覚的には「蚊」のイメージはなくなりがちですが
実はそこには大きな危険をはらんでいることをお忘れなく。
しっかり計画的にフィラリア予防をおこない、健康な毎日を過ごしましょう。
★もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
>>> 全国 犬のフィラリア感染期間の目安 DSファーマアニマルヘルス