院長のひとりごと
2014年1月17日
無駄になる薬品類
抗がん剤はそれほど頻繁に使う薬ではありません。
ただし
リンパ腫などの治療においては積極的に使っていきます。
通常は複数の抗がん剤を
プロトコールに従って組み合わせて投与していくのですが
体重や体表面積によって投与量は変わってきます。
チワワのような小型犬とラブラドールのような大型犬とでは
使う量がまるで違ってきます。
治療がうまくスタートして順調に計画が進んで行けばOKなのですが
途中で副作用が強く出てしまい
プロトコールを変えなくてはならなくなったり
不幸にしてその子が亡くなってしまった場合などは
抗がん剤はしばらく使うことがなくなり
やがて使用期限が切れてしまうことに。。。
当然、未使用のまま破棄しなければなりません。
もったいない話ですが、これはこれで仕方ありません。
抗がん剤に限らず
その子のために特別に用意した珍しい薬であればあるほど
使う必要がなくなったあとは
そのまま無駄になってしまうことが多いのです。
そういう薬に限ってものすごく高価だったりするので
病院の損失もバカになりません(T_T)
もともと人間のための薬を使うことが多いため
例えば使うのはたった1本なのに
10本入りを仕入れなければダメだったり。。。
もっと効率よくする方法を考えればいいのだけれど
だからといって
効率を優先するあまりに
よい治療が出来なくなってしまっては本末転倒です。
というわけで
時々(しょっちゅう?)採算を度外視した薬を仕入れては
月末の請求書をみてタメ息をつく今日この頃(^_^;)
う~ん
とても頭の痛い問題ですね、これは。